ウェストコーク・ラムカスク

ウェストコーク・ラムカスク アイリッシュ
ウェストコーク・ラムカスク

私が最初にアイルランドに行ったのは90年代半ば。もう四半世紀前… 冷静になるとやばいな。

20歳そこらの僕、ギネスは好きだったし、ウイスキーも好きだった。でもアイリッシュで知っていたのは、ジェイムソンとブッシュミルズぐらいかな。スコッチも今ほどシングルモルトシングルモルトしていなかったのですよ。まだまだブレンデッドの存在感が強かった。

ただその頃からシングルモルトの時代になります。これは世界的な動向。

じゃあアイルランドはどうか?長らくウイスキー冬の時代があったそうな。多くの蒸留所が閉鎖され、経済効率を求めた結果、統廃合が相次ぎ、稼働している蒸留所が二つまで減少。代表的なブレンデッドの銘柄と、これまたアイリッシュの特徴であるポットスチル方式を採用した幾つかのブランドしか残っていなかった、そういう感じだったようです。

ただし90年代に入り、幾つかの蒸留所が新造あるいは操業を再開し、ちょっとづつ変化が生じてきます。私が同時代で追えているのはこっから先の話。例えばスコットランドの躍進を参考にしつつ新しいウイスキーがでてきました。代表格はカネマラでしょうか。

ピートの効いたシングルモルトのアイリッシュというアイデンティティが煮崩れたような、でも骨太で美味しいウイスキー。ただこういう模索を踏まえ、アイルランドらしいアイリッシュの探索が始まっていく、そういう感じになります。

特に私が留学してた2000年代初頭、小さな蒸留所が稼働し始め、試行錯誤も本格化していきます。この流れが最近のティーリングやランベイに繋がっていきます。もちろんジェイムソンもブッシュミルズも色々と変わってきて勢いを感じます。

今回紹介するウェストコークもその流れに位置づけられる蒸留所。

操業は2003年。最初のイメージはジンを作っているメーカー。あとアイルランドの密造酒「ポチーン」を商品化しました。ジャガイモの蒸留酒。正直美味しくなかった… 今飲んだら印象変わるかな?

そういういまいちなイメージな蒸留所でしたが、2000年代に入る頃よりウイスキーも仕込み始めた。お土産用「ポチーン」で稼いだ金でウイスキーを仕込み、それが2010年代に10年物として流通しはじめる。現在は12年物の色んなボトルが出回ってきました。待ってみるものですね。

現在のライナップは近年のアイリッシュのトレンドを取り入れたラインナップ

バーボンカスク、ブラックカスク、シングルモルト、カスクストレングス、ピートチャージドカスク、ボグオークチャージドカスク、IPAカスク、スタウトカスク、カルヴァドスカスク、シェリーカスク。ヴァージンオークカスク、ポートカスク

なんかよくわからんなものもありますが、仕込む樽で色々遊んでいます。もちろんスコッチも同様のお傾向があり、グレンモーレンジとかそういうアレンジがうまい蒸留所ですね。日本のメーカーも上手い。梅酒樽とか使ってますね。たぶん焼酎樽もOKになったので、そろそろ出てきますかね?ニッカの麦焼酎なんて代物が流通し始めてますからね。

おそらくオーク樽に焼酎仕込んで、その樽を再利用してウイスキー仕込む的な、バーボン樽代わりを模索しているんじゃないですかね?

話がそれたのでアイリッシュ・ウイスキーのトレンドに戻すと、スコッチに比べるとアイリッシュの方が樽で遊ぶには有利かもしれません。その鍵は蒸留回数とピートの使用。スコッチだ二回蒸留、多くの場合、麦芽の乾燥にピートを使用していあmす。つまり元々の香りの成分が多い。それに比べてアイリッシュは三回蒸留。不純物が少ないと言われています。ピート使わないケースも多く、狙った香り成分だけを残しやすく、樽のニュアンスも移しやすいと思います。スコッチとの差別化として、樽使いでということなんだと思います。

ということで、今回はこの中からラムカスクを。

またここでちょっと脱線。ラムカスクの可能性について。

飲んだこと無いけどタラモア・デューもテーリングもラム・カスク出しているので、スコッチの差異化として後熟樽で創意工夫というモードなんでしょう。

沖縄、ヘリオス酒造のウィスキーも、ヘリオスのラム仕込んだ樽で後熟したやつを出してます。

悪くは無かったです。もう少し元のモルトが個性あると良いんだろうけど。

スコットランドでもそういう方向性ないかというと、やっぱりテストはされていて、なんか良いことあったら空けようということで秘蔵しているコレクションの一本、グレンフェディック21年は後熟でラム樽使ったやつが入っていると思います。これは試飲した印象だと甘みとスパイスさを足していて、グレンフェディックの爽やかなうまさを長期熟成で濃くしたものに、アクセントとして甘い香りとスパイスさを足すという設計でしたね。最高です。まだ空けないぞ

さて本題にもどりましょう。

良く見るとラベルがアイルランド南西部、ちょうどコークあたりの海岸線の形に切り抜かれていておしゃれですね。

ラムカスクといっても初手からラム樽でウイスキーを仕込むのではなく、バーボン樽で熟成したあとの後熟としてパナマ産のラム樽を使っている

バーボン樽経由の甘み、特にヴァニラ系の香りがしますかね?ラム樽仕込みのものはコクのある甘み黒糖系の香りがすることが多いので、そういう感じですかね?期待が高まります。

樽香、オークの香り、ウッディですね。モルト、麦の感じがやってきて、甘みが追っかけてくる。香ばしい甘みですコーヒーキャンディやチョコレートそういう甘みのニュアンスですね。ヴァニラやキャラメルな感じが残りますね。少しビータの後味も。なんか色々トッピングしたスペシャリティコーヒー?ライオンコーヒーにキャラメルとヴァニラ足して、カカオ振りかけたラテ

氷を入れてみましょう。

ちょっとフレッシュな感じが前にでてきますね。蜂蜜と酸味を伴った軽いフルーツ感。でもチョコレートやキャラメルといった甘みと香ばしさが支配する感じは変わらないですね。後味としてこの辺は残りますね。これはこのボトル特有の個性かもしれません。食後ののんびりとしたデザートウイスキー

最後にハイボールに。

苦みや酸味が味を下支えしてくれており、また加水に伴ってフルーツ感も前にでてくるので、非常に飲みやすい。飲みやすいがハイボールにするなら別のウイスキーでいいかな

ストレートかロックがおすすめです

もう少しなんかのニュアンスが足せると面白いかな。潮の香りとか。蒸留所内陸だからな…

あ、ランベイか。あそこのモルト、まだウエストコークのやつ使ってるな。なるほど理に叶ってる。

コーヒー飲みながらとか、アイリッシュ・コーヒーも良さそうですが、流石にこの値段のボトルでやるのは気が引けますが、晩酌の終わりにのんべんだらりと楽しむには良さそうな一本です。

どこでも買える一本ではないですが、大きい酒屋あるいはネット通販で。4000円弱ぐらいですかね。これからブームが来そうなアイリッシュ・ウイスキーの今を感じるには最適じゃないですかね。紹介したラムカスク以外にも、ちょっと飲んでみたいカスクありますね。カルバドスとかどうなんですかね?

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